社会人になると勧誘される機会が増える民間の医療保険・生命保険。「入った方がいいのか」「いくらの保障が必要なのか」は、公的保障の内容を知らないまま判断すると、必要以上に高い保険料を払うことになりがちです。ここでは一人暮らしの視点で考える保険選びの基礎を紹介します。
まず知っておきたい「公的保障」の存在
日本には健康保険の「高額療養費制度」があり、1か月の医療費の自己負担には収入に応じた上限額が設定されています。つまり、大きな病気やケガをしても、際限なく医療費がかかるわけではありません。民間保険を検討する前に、この公的保障の存在を知っておくことが重要です。
| 制度 | 内容 |
|---|---|
| 高額療養費制度 | 1か月の医療費自己負担に上限額(収入により変動) |
| 傷病手当金(会社員) | 病気やケガで働けない期間、給与の一部が支給される |
| 健康保険の自己負担割合 | 原則3割負担(年齢等により異なる) |
会社の健康保険に加入している会社員は、病気やケガで働けなくなった際に給与の約3分の2程度が最長1年6か月支給される傷病手当金があります。この存在を知らずに、必要以上に手厚い民間保険に入っているケースもあります。
一人暮らしで考えたい保険の優先順位
1. 医療保険:貯蓄で備えられない人ほど検討価値あり
高額療養費制度があるとはいえ、入院時の差額ベッド代や食事代、収入減のカバーまでは含まれません。貯蓄が少なく、いざというときの出費に備えたい人は、最低限の医療保険を検討する価値があります。すでに数十万円以上の貯蓄がある人は、保険料を払うより貯蓄で備える選択肢もあります。
2. 生命保険(死亡保障):扶養家族がいなければ優先度は低め
生命保険の死亡保障は、本来「自分が死んだときに困る人(配偶者や子どもなど)」のための保障です。独身で扶養家族がいない一人暮らしの場合、高額な死亡保障の優先度は一般的に低く、葬儀費用程度をカバーする最低限の保障で十分なケースが多いです。
社会人になったタイミングで保険を勧められることは多いですが、必要な保障は家族構成やライフステージによって大きく変わります。独身の一人暮らしと、配偶者や子どもがいる人とでは、必要な保障額はまったく異なります。
保険料は「収入の何%」を目安にする?
一般的に、保険料の目安は手取り収入の5%前後とされることが多いです。それ以上を保険に充てると、貯蓄や自己投資に回すお金が圧迫されてしまいます。まずは最低限の医療保険から検討し、必要性を感じたら保障を追加していくのが無理のない進め方です。
保険選びはまず公的保障の内容を知ることから。高額療養費制度や傷病手当金でカバーされる部分を差し引いた上で、本当に足りない部分だけを民間保険で補うのが合理的な考え方です。
